大企業が学びに集うまち、釜石
――ストーリー――
岩手県釜石市には、
年間約500人が参加する企業研修プログラム
があります。
2021年に始まったこのプログラムは、口コミで参加者を増やし、2023年には約90社の企業や行政機関が訪れるまでに成長しました。東北の地方都市である釜石に、人々は何を求めて訪れるのでしょうか。

その理由の一つは、釜石の復興まちづくりにあります。釜石は東日本大震災の直後から、多くの大企業と協働し、外部の知見を積極的に取り入れながら復興を進めてきました。予測不能な状況下で多様な意見をまとめ、行動に移す。このような「釜石流の共創型社会マネジメント」は、震災復興の現場で培われた独自の経験則です。その現場を支えたリーダーたちとの対話を通じて、参加者は「行動を起こす力」や「意思決定の軸」を深く見つめ直し、自らのマネジメントスタイルを探求することができます。
これこそが、釜石の研修の真髄です。
世界評価する、
持続可能地域づくり
多くの企業や個人と協働しながら復興を進めたという点で、釜石は「まちづくりのマネジメントに成功した」と言えます。その要因の一つは、釜石の土地で培われてきたオープンな文化です。釜石は幕末、日本の産業革命を支えた製鉄産業の中心地として、多くの外部の人材や技術を受け入れながら発展を遂げてきました。この歴史が、多様な意見を取り入れ、協働する風土を育んだのです。

釜石の協働型・まちづくりへの取り組みは、国際的にも注目を集めています。その一例が、釜石のサステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)への評価です。2025年1月時点で、国際認証機関グリーン・デスティネーションズから、7年連続で「世界の持続可能な観光地100選」に選出されています。2024年には、
日本初となる「グリーン・デスティネーションズ・アワード・ゴールド賞」を受賞しました。
地域経営える
企業経営ヒント
「地域経営と企業経営には、共通の課題が多い」と語るのは、釜石で研修を受けた参加者たちです。異なるセクション間の連携、外部リソースの活用、多様な関係者との合意形成――これらは、地域が直面する現実であり、VUCA時代(不安定で不確実、複雑で曖昧な世界)における企業経営の課題と重なります。

釜石の研修プログラムでは、震災復興や地域経営のマネジメントを追体験します。例えば、人気の「地域課題解決マネジメントプログラム」。参加者は、住民や地元企業へのヒアリングを通じて地域課題を深く理解し、その解決に向けた具体的なアプローチを模索します。フィードバックを受けながら修正を重ね、解決策を実践する段階まで責任を持って関わるのが、釜石流の研修の特徴です。

このプロセスを通じて培われるのは、不確実な環境下で多様な利害を調整し、イノベーションを生み出す実践的なマネジメント力です。この力こそが、企業経営において持続的な成功を導く鍵となるのです。
釜石つける、
仕事本質リーダー在り方
釜石の企業研修は、単なるスキル習得の場ではありません。住民たちとの対話や現場体験を通じ、自分自身の働き方や意義を見つめ直す機会でもあります。リアルな社会課題に向き合う中で、参加者は「自分の力が社会の何を変え、誰に役立つのか」という問いを抱くでしょう。
そうした壁にぶつかった時、釜石の住民との対話が道標となります。彼らは震災復興の現場で「どう生きるか」という究極的な問いを抱え、行動し続けた人たちだからです。

他日常の東北の地で、時に自身の限界を痛感しながらも、次の一手を考え抜く。その経験は、リーダーシップへの深い気づきへと繋がり、チーム全体の力を引き上げる原動力となります。ミクロの気づきや成長が、企業全体のマクロな成功へと波及するのです。

釜石は、ビジネスパーソンとして新たな挑戦を始める「チェックイン」の地。だからこそ、この研修は多くの企業に選ばれ続けています。
お問い合わせ
ご希望に応じた研修内容をご提案します。
まずはお気軽にご連絡ください。